悪友ってこんな感じじゃね?



「もー二人とも早く着替えてきてよ!リボーンが全員集合の号令かけたんじゃないかー」
逢った時から頼りないのは変わらないが、確固たるものが存在し始めてきた。それは自分のためではなく周りの友人のため。
それが見えない自信となって、ツナを少しずつリーダーへと押し上げているようだった。
ツナと入れ替えに了平が走ってきた。
「ところで、お前もうパオパオ老師しねーのか?」
「今やったらただのバカだな」
「アハハハハハ!!確かに。見てみてーけどな。ホラおまえのバカ牛も来てるぞ」
「次、バカ牛って言ったら殺すぞ」
「Si!」
今日一番の殺気を感じてコロネロは両手を挙げた。
「師匠!お久しぶりッス!」
「元気そうだなコラ。タイトルいくつ獲った?」
ころころと転がるように走ってくる了平に両手の平を向けると、了平が右手に体重をかけてパンチを繰り出してきた。
「5つッス!」
「極限太陽は封印してんだって?」
「アレやったら死んじゃいそうッス!」
「わかってんじゃねーか、相変わらずかわいいなー!」
プロボクサーとして活躍を始めた了平だが、イタリアではメジャースポーツではないためニュースは届いていない。しかし、コロネロは了平が負けるとはまるで思っていなかった。
「新しい技考えたんで、後で見てくださいっ」
「了解だコラ!」
パンチの応酬をしながらじゃれ合う二人を「体力バカ二人」、と切り捨てて、入り口に立つランボを見る。
「どうした?バカ牛」
「リボーンが殺されるって聞いて、ウキウキしながら飛んできっ…」
帽子を顔面に受け、ランボは床に伸びた。
「全くロクな奴がいないな」
毒づきながらもリボーンは泣きじゃくるランボを肩に担いで自室に戻った。
キッチンからはおでんの匂いがしてきた。どうやら、リボーンの好物のママンのおでんのようだ。最近、イタリアンしか食べていなかったので、リボーンにしては珍しく腹の虫が鳴いた。
着替えてキッチンに顔を出すと、京子とハルが支度を終えて、クロームとリボーンのメイドたちにレシピを教えているらしい。メイドたちに日本語を覚えさせていて正解だったと思いながらダイニングに向かう。
ダイニングでは、ツナと山本、獄寺が日当たりのいい床に座って話し込んでいた。どうやら、獄寺が2人に簡単なイタリア語を教えているらしい。こうやってみると、学校の延長みたいだ。しばらくその風景を眺めて声をかけた。
「てめーら、バンビーナだけ働かせるとは随分偉い身分だな。ロクな男にならねーぞ。手伝ってこい」
「Si! Ho capito!」
習ったばかりだったのか、3人で声を揃えてキッチンへと駆けていく。ふと出会った頃の匂いがして、リボーンは笑みをこぼした。






延々、どつきあってて欲しいぜ。/だい。






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