ある朝のリボランさん



「リボ…」
ランボの呟きに浅い眠りから目を醒ます。リボーンはまだ少し大きいランボの体に包まれていた。
普段は一緒に寝ることはないのに、うっかり本当にうっかり寝入ってしまった。最強のヒットマンとは思えない優雅な手で顔を覆いそっと溜め息をついた。

昨夜、呼んでおいたランボがドアを開けた時、深考状態だったリボーンは反射的に引金をひいた。
ランボも慣れたもので、首を傾げて避ける。
お互いコンマ数秒冷たい手で心の柔らかい所を撫でられるも、臆面にも出さない。
首筋に流れる血に構わずにランボはリボーンを抱きしめた。
リボーンも謝罪の言葉を吐くこともなく、ランボのしたいようにさせたまま、目の前の汚れた首筋を拭い、ランボの唇になすりつけた。紅とは違う生々しい赤い色。
「…キスできなくなっちゃうよ」
リボーンはランボの血を見るのは大好きだが、舌にのせることはない。
ランボはその赤をリボーンの首筋に移す。柔らかい舌が這いまわる。
「跡をつけやがったら殺すぞ」
ランボは巻毛の隙間から濡れたペリドットの目を覗かせて笑う。
「殺してよ」
「てめーにそんな価値はねーよ」
ランボはリボーンの耳に舌を絡ませた。
「僕もリボーンを殺したくてたまんないけどね」
「バカ牛が…」
すっかりリボーンに赤い色を移し終えたランボに、噛みつくようにキスをした。ランボの舌にはまだ血の味が残っていた。

やっと肌寒くなったイタリアの乾いた朝に、ランボのあたたかさが心地いい。
今朝はもう少しこのままでいよう―そう決めてリボーンは目を閉じた。






ひゃー。これまた懐かしい。一番最初に書いたリボラン、かな?イメージ先行でおっかなびっくり書いているのがまるわかり。新鮮。 だい。/20070111






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