「ヤマモト?」
通りすがりのペットショップでよさげな物をみつけてなんとなく入った。不純な動機だったので、不意に呼び止められてちょっと驚いたのは隠せただろうか?
振り向くと同僚のエスだった。本名はなんだかんで長いから簡単にエスと呼ばれている。同じ危機管理部で必要な装置やら武器やらを作る担当。腕がいいのとマニアックさのバランスがよくて大概のものを作り上げてくる。気さくなヤツで俺のジャストアイデアの機械も実現化してくれるから結構仲がいい方だ。
「おつかい?」
「の、ようなもん」
「大型犬?」
「なにが?」
エスの目線は俺が手にした赤い革の首輪に落ちる。
「あ、うん。ちょっと知り合いに頼まれて」
俺の動揺を気にする素振りは見せずにぐるりと首を回した。
「ヤマモトなら安くしとくから。秘密厳守するよ」
エスは意味深なことを言いながら、チャオと背を向ける。
ええと。ここに獄寺がいたらどう解釈するか聞くんだけれども。反対に獄寺がいたら、しばらく口を聞いてくれないだろうしなぁ。
自分の企みをあっさりと見破られたようでなんとなく頭を掻いた。

獄寺に似合う首輪を見つけただなんて。
そして、この赤い首輪をつけた獄寺を想像していたなんて。
そして、そして――。






「愛玩動物」の後書きを読まれた方はエスくんが今後どういうコトをする人か見当はつくと思うのですが、期せずして本誌に似た彼が出てしまい(そして親日家)(そして可愛い)、ルックスは彼でもいいかなぁと日和ってみようかと思う今日この頃いかがお過ごしですか?(全然誤摩化せていない…) 20080410 だい






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