frustrazione



最奥を突いた山本は獄寺の中だ太さを増して、射精した。中に出される行為にアナルを絞ってしまうほどにそれが好きだった。そのまま今度は自分で体を上下に動かすと、すぐに山本は堅さを持ってきた。
「気持ち、いい?」
泣きそうな顔で聞いてくる獄寺に山本は手を伸ばした。
「ん。すっげー、隼人最高。もっともっと乱れて?」
獄寺の片手を二人が繋がってくるところを触らせる。獄寺の指が自分のペニスにからみつき、山本は吐息をこぼす。反応によくした獄寺はみせつけるようにゆっくりと上下に動く。そこからは溶けたワセリンと精液でじゅぷじゅぷと濡れた音がして獄寺は身を竦ませる。濡れた指を自分の胸元になすりつけると、てらてらと光った跡を残す。
「う、ん…はぁっ、はっ、…んんっ」
眉根をぎゅっと寄せて、あえぎを止められない獄寺に山本は生唾を飲み込む。伸びた髪が首筋やあちこちに貼りつき、伏せた目元に色香が漂う。山本はもう我慢できそうになかった。
「オレも動いてい?」
欲望を抑えて両手で獄寺の頬を包み、キスをすると、獄寺は肯いて目を閉じた。
「…はっあっ……っん…んん」
山本は一度離れて獄寺を四つんばいにすると後ろから一気に貫いた。今までと違うところが擦られて獄寺の背中が震えて、山本に自分の腰を押しつけるように膝に力を入れる。アナルに力強く押し込まれて、からみつく痛さもまた気持ちよくなっていく。
「はっ、はっ…隼人、締めす…ぎっ」
シーツを鷲づかみ、揺らされていたが、背中に覆い被さる山本があまりにも熱くて、汗で肌が吸い付いて、獄寺は体を震わせた。山本のせっぱ詰まった声にすら追い上げられる。
「たけしっ、も、だめっ……あぁぁぁっ!!」
山本をぎゅっと包み込んでイってしまった獄寺を追いかけるように山本もまた獄寺の中に熱く、放った。
はぁはぁとお互いの荒い息だけが聞こえてきた。獄寺の体から出る時に軽く後始末をして転がった山本と、つっぷすして目を閉じる獄寺と。
「――何かあった?」
山本は天井をみつめたまま呟いた。
「全然。――アーモンド・プディング」
「essato(エザット/正解)」
汗がひいた山本は獄寺をたぐり寄せてその腕の中に閉じこめる。山本の指を舐めた獄寺は、残るアーモンドクリームの香りと味から何のケーキを作っていたか当ててみた。
「グラニータも作っているから後で食べようぜ」
獄寺は山本の体を抱き寄せて首筋に鼻を寄せる。小さい頃からギリギリのラインの上で生きてきた。今、考えると「ギリギリ」のラインからほど遠い場所を歩いていたけれど、それでも、リボーンが零したように、いつ「向こう側」へよろめいてもおかしくない人生だった。絶えず「こちら側」へと手を握っていたのが山本だった。
「ありがとう」
素直な獄寺に山本は内心の驚きを出さないように努める。
「今回はうまくできたと思うんだ。丁度いいよな、こんな熱いと…」
山本の饒舌を止めるように獄寺は身を伸ばしてくちづけた。
「ほんとにオレはバカだ。だから、いられるだけは傍にいろよ」
「いられるだけ、なんてもっと欲張れよ」
「それはおまえの誕生日に聞く」
「隼人、今何が一番欲しい?」
「今、が」
二人一緒にいること。そう聞こえて山本は全身に広がる幸せを伝えるように、獄寺の赤く染まる目尻にキスを落とした。






20080930(ぐらいかな?)獄寺さんハピバー。






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