アイスを買って帰ろう



 校門に寄りかかって山本を待っていたら雲雀が通りかかった。
「さっさと帰りなよ」
 10代目を背後に庇って間に入る。
「うっせぇ、野球バカ待ってんだよ」
「僕の前で群れないでよね」
「てめーがさっさと行きやがれ」
「キミにはしつけが必要だね」
「ご、ごくでらくんっ」
 雲雀がトンファーを手のひらに落とす。オレはミニボムに着火しようと構える。
「なに?雲雀も一緒帰んの?」
 山本が雲雀の肩に顔をのせて登場した。途端にオレたちの緊迫感は一気に下がった。
「…ばっかやろう!空気読め!」
「あははははは。ほんと、お前ら好きだなぁ。今度は何ごっこ?オレも入れてくれよ」
「……気がそがれた。さっさと消えて」
 肩の山本を払うようにトンファーを一閃させる。山本は軽々と避けやがって「じゃあな」って雲雀に声なんてかけやがる。
「やまもとー、ほんっと助かったよ」
「10代目、参りましょう」
 腹立たしいほど無邪気な山本に背を向けて帰り始める。
「待たせてごめんな」
 10代目と山本が左右からおいついてくる。この並びは居心地が悪いので、二人が歩くより少し遅れて10代目の右側に移動した。
 話題の中心は発表されたばかりの月末の中間テストについて。リボーンさんからは学年1位から落ちたら右腕失格と厳命されているので、仕方なくオレも範囲を覚えたけど、正直つまらない。もっと10代目の役に立つことを学びたい。
「ということで、今日はオレが奢るのな」
 駄菓子屋の前で山本が宣言して店に入っていった。






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