悪友ってこんな感じじゃね? シャワーを浴び終わり、エスプレッソを飲みながら身支度を整えた。帽子を被る。と、レオンがぴょこんと飛び乗る。テーブルの上に拳銃を並べ、弾丸やスライドのチェックをして、体のあちこちに隠していく。 裏庭の向こうの森はある部分だけ地中にセンサーが張り巡らされていて、動物が入らないようになっている。元より人間は入って来られない。コロネロが来る日はこのサークルの中でリボーンと二人で訓練をしている。 制限時間は二時間。数箇所マーキングをしているところのマークを全部奪取するか、片方が死んだらおしまい、という真剣勝負。 今日はコロネロが先行で色々と仕掛けている。 リボーンは入り口の係に合図してサークルに入る。以降は、サークルのセンサーが反応する。特に高圧電流が流れる、ということはないが、それはヒットマンとしての生き恥をさらす以外の何者でもないのはお互い知っている。 入り口で両手をだらんと垂らし、全方向に気配を飛ばした。つばの上でレオンも楽しそうに両目をくるくる動かしている。 前触れもなくリボーンが両手に拳銃を持ち、あらゆる方向を撃ち抜く。気付いた範囲のカメラとトラップ、地雷が一斉に爆発する。その噴煙の中に飛び込み切れ目なくコロネロの仕掛けたセンサーを撃っていく。高い樹木の上で双眼鏡を覗くコロネロも予想していたようで笑顔にこぼす。リボーンらしく、派手なスタートだ。 リボーンは胸元のおしゃぶりが光ったのを見て、横に転がって樹木の上を打ち抜いた。立ち上がる前に弾倉を詰め替え、起き上がる反動で木の上まで跳ぶ。コロネロは枝におしゃぶりをひっかけて消えていた。リボーンはそれを自分の首にかけて辺りを探る。確かに直前までいたはずだった。30分が過ぎた頃、リボーンは今回の獲物のリボンを何色もおしゃぶりに結んでいた。何度も狙撃を避けて、黒いスーツはすっかり埃だらけになっていた。 コロネロが隠していた武器類を発見したところだった。普通の拳銃とみかけは変わらないけれど、非常に軽いのだ。木の枝を撃ってみた、ら。 パァンと派手な音をして万国旗が飛び出した。 どこかでコロネロの笑い声がする。 その方向におもちゃの銃を投げて、さっさと場所を移動する。 幸いなことに不自然に枯葉がたまっているところに、バズーカが隠されていたのを発見した。肩にかけ、コロネロの気配を追い、構えた瞬間に手榴弾が飛んできたので、左手の銃で宙で撃つ。手榴弾が飛んできた方向、広い範囲にバズーカを撃ちまくる。心から闘うことが最近なかったので血が騒いでたまらない。遠慮なく人影に向けてライフルを撃ち放つ。 終了の合図のチャイムが鳴り響いてタイムアップ。 後半、ひっきりなしに続いた爆音が止み、噴煙が去ると、リボーンがコロネロの首にサーベルをかけ、コロネロがリボーンの心臓にサバイバルナイフがつきたてていた。 「ジャッポネーゼでサボりすぎじゃね?」 「格闘の腕落ちたな」 減らず口を叩き、互いの得物をしまう。 |