チネ・ラヴィータ



「また泣かせてんのか?コラ」
あぁコロネロさんだ。この人も優しいんだか、怖いんだかわかんないんだよな。うっかり甘えてどれだけ期待を裏切られたことか!違う痛みを思い出してきて、涙が出そうになる。
「うぜーのが来やがった」
「おまえも飽きねーなー、コラ。牛を泣かすの、んなにたのしーのか?コラ」
「ちげーよ、映画で泣いてやがるんだよ、そのアホ牛は」
「おめーも、ちっとも成長しねーなー」
急に登場したコロネロさんはオレの首に腕をまきつけたまま、隣に座った。必然的にオレはコロネロさんの肩に顔を押し付けられるから、全力で腕を外そうと抵抗した。
「おとなしくしろよ、泣きてーんだろ?」
いえいえ。貴方の前で泣くのはちょっと恥ずかしいですし、この体勢はなんだかちょっといやですから!
両腕で、コロネロさんの片腕を外そうとしたけれど全く外せず。アルコバレーノってのは一体なんなんだろうね!!人の話を全く聞かないんだから、ランボさんには理解不能だよ。






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