マンジャーレ!マンジャーレ!マンジャ−レ!



熱いお湯の中を茶葉が飛びまわるのを見つめていたら、隣の部屋に置いていた携帯がこの世で一番の危険人物の着信を伝える。
「Che cosa hai?(どうした?)」
『チャオっす。バカツナ来てねーか?』
「…久しぶりだな…来たら連絡する」
笑いをかみ殺してランボは携帯を切る。
「うざいよ、その笑い」
「本当に脱走してきたんだな」
窓際。椅子の背を抱くように綱吉が座り、隠すことなく不機嫌さを顕わにしていた。
どうぞ、と傍らのテーブルに砂糖抜きのミルクティーを置く。
ありがと、と小さく返事があって
「俺は隣にいますから用事があれば呼んでください」
「仕事?」
「晩御飯の準備。何食べたいですか?こう見えても結構いけますよ」
リボーンに鍛えられてね。綱吉は口に出さず椅子の背に顎をおいて遠い目をした。
「……ミートボールのスパゲティ」
「ボスの仰せの通りに」
ランボがウィンクを決めると、片方の眉が上がった。滅多なことじゃ感情を露わにしなくなった綱吉からの反応はランボを愉快にさせた。くすくすと聞こえる忍び笑いが綱吉を不快にさせるが気にしない。






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