マンジャーレ!マンジャーレ!マンジャ−レ!



寝入ってしばらくしてから(流石に裸だとボンゴレが嫌がると思ってバスローブを着て寝た)、ボンゴレが起き出したようで、俺も目を覚ました。闇の中、辺りの気配を伺うような妙な動きをして俺を呼ぶから俺も起きた。
「Che cosa e accade?(どうかされました?) ツナ?」
「ええと、ここどこ?」
この声は!
「若きボンゴレ?」
手を取って顔を寄せるとさっきまでの威厳あるドン・ボンゴレではなくまだ小さな小さなボンゴレだった。10年前の俺がやったのかと思ったけれど、その幼さはまさにそれ以前。写真でしか覚えていない(物心つく前の思い出はあまり残っていない)小さい、まさにツナ。さっき『中学生になっちゃえ』って言ったのが効いた、とかじゃないだろ?
裸の俺に驚いたり、いちいち驚くのが新鮮で、きっとボンゴレはガキの俺の世話をしてくれた時にこんな目で見ていたんだなぁと思う。パニくっているわりには現状を認識してて、なんで裸の俺と同じベッドにいたか真っ赤な顔で聞いてくる。いつもやられっぱなしなんだから、少しはやり返してもいいだろう?必死で答を聞いてくるから可笑しくてたまらない。20年でこんなに人間変わるものか。逢いたい人に逢えて俺はすごく嬉しかった。数分といえど、20年前のどうしようもない俺に感謝した。感謝するなんてそれこそ初めてだ。
「お詫びにBuon compleanno il mio ragazzoって言ってください」
正直どうでもよかったんだけど、せっかく20年前のボンゴレが来てんだから言ってもらおう。俺の言葉に律儀に繰り返すツナが嬉しくて、頬にキスをした。必死で嫌がるツナも新鮮だ!
そしてタイムズアップ。
リボーンが無断侵入してくるのと、20年前に行ったドン・ボンゴレが戻ってくるのはほぼ同時だった。






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