マンジャーレ!マンジャーレ!マンジャ−レ! 「とりあえず、向こうでお前殴っといたから」 「アホ牛、どーいうことだ?」 前門のボンゴレ、後門のリボーン。人の話を聞かないこの人たちが揃うと正直ウザい。 「俺、何もしてねーぜ」 万歳、とお手上げをしてもこの腹黒い二人が許してくれると思わないが。とりあえず。 「ドン・ボンゴレ特製のミートソースを残しているけど、食うか?」 「こいつシメたら食う」 目の前のエジキより食い気。リボーンの胃に付き合って10数年。読みは成功。 「ランボ。20年前の俺にむりやりキスをありがとう」 とりあえず後門は反らした筈だったが、壁によりかかっただらしない格好で、完全に他人の振りをする前門から爆弾が投下された。急に調子を取り戻すなよ、ボンゴレ。リボーンがカンフル剤になってんの?もしかして。 「おめでとう、の礼だろ?ボンゴレ。リボーン、今夜泊まってく?」 ふむ、とリボーンはドアに寄りかかって腕組みをして考える。 「とりあえずメシだ。そこのバカツナのせいで夕飯食ってねーんだ」 リボーンがロックオンしたターゲットを外すわけもなく。その自信から、欲望に素直に従うことにしたらしい。 「寝る」 ボンゴレもリボーンに見つかっても慌てる様子もみせず、反対に全く興味なさげにシーツを体に巻きつけて寝始めた。やれやれ。リボーンを前にしてこの余裕は流石ドン・ボンゴレだよ。 感心している間に、リボーンに襟首を引っ張られキッチンへ移動。リボーン様の為にまずはパスタを茹でるべく鍋に水を張った。 「よくも黙ってやがったな」 後ろから腕を回して絡みついてくる。したいようにさせていたら顎を捻られて背中からキス。お湯が沸騰するまでの間は付き合ってやるか、とリボーンに向き直してその細い肩に両手をまわした。 このたれ眉だって、なんでボンゴレが時々行方不明になるかなんて理由は知っているはずなのだ。 |