frustrazione



ベッドに横たえられた。山本はちょっと待っててな、と言い残してキッチンへと戻った。獄寺はその間に顔を洗ってネクタイを解いた。
「隼人、水」
氷と水で溢れたタンブラーを渡されて一気に飲む。
「いいよ、好きにして」
山本はボタンを飛ばされたシャツのままベッドに寝転がる。甘やかな声が獄寺を突き動かす。獄寺に覆い被さられると小さな銀色の空間に閉じこめられるみたいだ、と山本はいつも思う。その中でそっとくちびるを啄まれ、何度かキスを重ねる。かなりのアルコールが入った獄寺の体は熱いのに、ビールしか呑んでいない山本の体は冷え切っている。獄寺は自分の熱を移すように山本の肌に唇で指先で触れていった。
「…ん、あ」
シャツを脱ぎながら、片方の乳首の周りを円を描くように舐めると山本の体がピクと動いた。舌を離さずに見上げると山本がせつなげに目を細めていた。
「シャツ脱ぎながらって、セックスするって感じがしてクル」
獄寺はやっと笑う余裕ができた。舌先で潰すように歯でひっぱるように、もう片方は山本の口に差し込んで濡らした指先でひっかくように摘んでいたら山本の性器が徐々に反応を見せ始めてきたから、パンツの上から包むように触った。
「意外」
「…オレも、隼人ならアリなのに」
獄寺はざけんなと囁いて、山本の下着の中に差し込んで直接握るとすぐに質量が増した。
「わかった。ここんとこお預けだったから」
「もうしゃべるな。ヤル気が失せる」
「こんなんじゃ失せないだろ?――ほら」
「…んんっ」
おとなしくされるがままになっていた山本は、獄寺の性器を握った。山本を黙らせようとくちづけるが、お互いのペニスを扱いて唇の隙間から吐息が漏れる。久しぶりに直接触られて獄寺はキスを続ける余裕がなく、山本の体に崩れて、それでも手は止めなかった。山本はというと、獄寺の仕事優先でしばらくお預けを食らっていた上に、妙に臨戦状態で押し倒されて据え膳ごちそうさまとばかりに、崩れる獄寺の首筋や耳に愛撫していた。
「…あっ…はあっ、んんっ…ちょっと、それ…」
お互いの下着を脱がずにそのまま手を突っ込んで動かしていると、相手の自慰を手伝っているようで一段と体が熱くなる。
「隼人、ちょっとヤバいかも」
「んっ、オレもっ…あああっ!」
山本は腰を上げて獄寺の手に自分のペニスを押しつけ、なおかつ獄寺の亀頭を親指の腹でこすり始めた。ハァハァと互いの呼吸で耳元を擽られよけいに体がうずき出す。
「あぁっ…だめっ、それっ…」
服に差し込んでいる手はそんなに自由が利かないのに、段々先走りで濡れてきて粘ついた音と感触を伝える。
「ごめ、はやっ…ぁぁっ…」
「…武、たけ…しっ……」
山本が先に達し、声に煽られて獄寺もイった。自分の体の上で自分の名前を呼びながらイく獄寺に山本のペニスはもう一度精液を吐き出した。
汗ばむ額に貼りつく前髪を書き上げ、生え際に額にキスを下ろしていく。
「脱いでい?」
獄寺は頷きながら、山本の体をまたいでシャツを完全に脱ぎ、山本のシャツを脱がせた。一度ベッドから降りて下着ごと脱ぐと山本も同じようにして、改めて山本とキスを交わす。舌が絡み合い、肌をまさぐり合って、獄寺は背中を撫で上げられて夜目にも鮮やかな白い裸体をしならせた。背中に回した腕に力をいれて、晒された獄寺の乳首に噛みつくと、すぐに堅さを持つ。どこを触られても反応するような体になっていた。






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