Help me to help myself 「獄寺、力抜いて」 「な…!!」 あまりのことに絶句した獄寺が体の力を抜けるわけもなく。山本は少し腰を落として肩に獄寺の顎を乗せると、シャワーホースを持つ反対の手を、獄寺の前に差し入れた。ぐちゃぐちゃに濡れる中、固い掌に握られて獄寺は喉奥で悲鳴を零す。その隙に背後からシャワーホースを獄寺のアナルに差し込んだ。 「あああんっ!…や、ま…なん…で?」 「きれいにした方が楽しめるだろ?」 獄寺は絶望で目眩がした。 ――レイプされる。 その言葉で脳裏が占められる。 その間にも腸内に生暖かい湯が入り込み少しずつ刺激を増やしていく。前から後ろからの刺激に呼吸が忙しくなる。 「山本、止めろ」 予想外のことに体に力が入らない。いや、入れられない。異物を拒むことすらできやしない。恥ずかしくて情けなくて涙が自然と沸き上がる。山本はそれに構わず、確実に獄寺の後孔深く侵入していく。逆流した湯が溢れていく感覚が粗相をするのと同じで自然と力が入る。 「…あ、あん、や…やだ……ああああっ」 獄寺の抵抗を阻むように指を差し入れて入り口を広げられる。その隙間から湯が零れていく感覚から逃げる為に獄寺は山本に身を寄せる。体の中を湯が逆流し、胃が押し上げられるような気がして喉元に気持ち悪さがこみあげてくる。それと同時に、体内を異物が移動するのがわかる。山本の指はどさくさに紛れて確実にあるポイントを目指していた。快楽のスイッチ。慣れた指より長いそれはいとも簡単に到達し、指の先でコリと掻いた。 「ふっ…や、やああ、やめろっ…」 ゆっくりと堅い指先で押され、擦られ、膨れてくるのが自分でもわかる。それと同時に、獄寺のペニスにも血液が集まってくる。山本の胸に押しつけたにこめかみにもどくんどくんと脈が打っていることがわかる。 「ああっ、やあああ…だっ、やめろ、山本、やめろ」 獄寺の知っている山本は、獄寺が本気で嫌がることは絶対しなかった。なのに、目の前の山本はどうだ。獄寺の本気を意に介さず、前立腺をさすり、柔らかく崩れる腸壁を指でほぐして獄寺の意識ごと下半身をぐちゃぐちゃにしていく。片足を山本の腰に回すように上げられて、アナルが緩やかに口を開ける。 「いやあああああああああ!!」 こぽりこぽりと異物が零れていく感触に獄寺は体を何度か震わせた。 「いやだ、やだ、やめて、おねがい……やめて」 譫言のように繰り返す獄寺の体を抱きしめる山本はやめる気配を見せずに前立腺を柔らかく刺激しながらも奥へ奥へと指を伸ばしていく。 「山本、頼むから、もうっ」 湯と涙で乱れた顔を隠すことなく自分にしがみつく獄寺を離すことなく、山本は薄く笑いながら獄寺の下半身を暴く凶暴な指とは真逆な優しいキスをその顔へと落としていく。 「獄寺、大丈夫。安心して。怖いことは何もしないから。大きく呼吸をして」 「やっ、こわい、こわいからやめて。ああああああっ」 腫れるそこを摘むように二本の指先で挟まれて獄寺は触られることなく二度目の射精をし、許容範囲を越えた刺激に意識を落とした。がっくりと力を抜く獄寺のアナルから指を抜いた山本は改めて濡れた服をはぎとり、湯で体を流した。外に用意していたバスタオルで獄寺を包むと、両手で抱き上げた。 |