Help me to help myself 「ひっ……」 ねじ込まれる舌を拒もうと反射的に力を入れてしまい、余計に感じてしまう。体を引こうにも両手を掴まれて振り向くこともできやしない。目の前の数個の枕を抱えて身を丸める。 「獄寺」 知らない声なのに、そのアクセントは耳に馴染んでいて。それに反応してしまう自分が悔しくて。 「ごくでら」 甘さを含んだ声すら無視していると会陰を嘗められた。山本の鼻先がアナルにぴったり張り付いて、舌がその下を這い回る。突き上げるような快感に仰け反る。腰が震える。 「気持ちいい?」 快感を逃すように獄寺は横に首を振る。山本は獄寺に押しかかるように体を伸ばして、涙を嘗めとった。ゴールの見えない快感が止み、優しい仕草に獄寺はふと気をゆるませる。体が弛緩した瞬間をねらったのかアナルに数本の指が入れられた。粘つくローションをまとった指は何の抵抗も無くすんなりと入り、奥へと誘う。 「あっああああっ……あああっ」 入り口をほぐすように三本の指が勝手に動く。入っては出てゆくその動きにアナルセックスの快感を思い出した。十年後の山本の指は十年前の山本を思い出させるかのように同じ動きをしてみせた。 「ああっん、いいっ…ああっ。やっ…」 山本の指を離さないようにぎゅと力が入る。 「中はきれいだから思い存分溺れて?」 ふ、と獄寺の力が抜ける。無意識に力を入れていたみぞおちの辺りの筋肉の力が抜けて、くたりとベッドに伸びる。抵抗を忘れたように弛緩する体を片方の手で撫でられて、猫のように体をしならせた。 「そう、いい子だ」 片手は孔内をゆっくりとほぐし続け、震えるうなじを甘く噛んでゆく。 「もう三本も入っているよ、わかるだろ?」 囁けば獄寺の体を甘い震えが走る。 「う…んっ、あ。あ、ん……」 舌をねっとりと這わせると細かく肩を震わせて体内に燻る熱をはき出すように熱い吐息をこぼす。ポイントの周りをなぞるように指先を動かせば、強請るように腰がその指の動きを追って円を描く。 「誘ってんの?」 羞恥を煽る言葉に獄寺は目尻を潤ませて初めて山本を見据えた。動きにつられて性器がシーツに擦れて指を締め上げる。 「やっ、だ…」 「そっかこっち触ってないもんな」 獄寺の体を起こして自分に寄りかからせると堅く反り返るペニスを握り締める。予想以上の強さにビクリと体を震わせる。 「獄寺、見て」 促された先には山本の性器があった。山本は自身を握り上下にゆっくりと動かし始めた。 「獄寺が見ているだけで、こんな堅くなる。獄寺の中に入りたいって。10年前では届かなかったところも突いてあげる。獄寺の知らないこと、やってあげる」 獄寺はこんな恥ずかしいセックスは知らなかった。好きな男が自分のを扱きながら先の行為を口にする卑猥さに劣情を呼び起こされる。 「この先っぽが、太いここがまず入って、獄寺の中をずぶずぶってこじ開けて」 熱に浮かされたように、その感触の幻覚を見る。よつんばいで腰を上げて山本を迎え入れる自分。 「最後まで押し込む?それとも、慣れるまではそのままでいる?獄寺のあそこがぎゅうぎゅう締め付けてくるから、それだけでも気持ちいいかも」 「あ…はっ」 「太さが馴染んだらずるずるって奥まで挿入して、ここまで来るかもな」 獄寺の臍の辺りを指先で撫でる。それにすら快感を覚えて獄寺の性器は触られてもいないのにビクンと揺れて、先から透明な滴がわき上がる。 「そしたら一度ぎりぎりまで引いて、また奥まで押し込んで。雁が中の壁を擦って」 「はっあ……はぁっ」 山本の性器の先から滴が零れ始める。獄寺は誘われるように身をかがめて舌をのばした。先を嘗めて、亀頭を口に含む。キャンディでも嘗めるように舌を絡ませると山本は腰に力を入れた。まさか14歳の獄寺が自らフェラチオをするとは思っていなかった。幼い子供にさせていること、それが獄寺ということ、視覚的にも思わずイキそうだった。 |