Help me to help myself



「……獄寺、ここを嘗めて」
 血管が浮かび上がる裏筋を指でたどると獄寺はその通りに舌で嘗めた。何度か往復させて、もう一度亀頭を含ませる。
「いっぱいしゃぶって」
 両手でしゃぶりつく獄寺の頭を撫で、片方の手で尻たぶにローションを零す。指先でぐるんとなぞって入口の筋肉が完全に緩んでいることを確認する。
「んくっ、んっ」
 頬を撫でて自分のフェラチオを止めさせる。両手で挟んだ獄寺は熱に浮かされたようにとろんとした目をしていた。半開きの唇は山本を誘うように先走りと唾液で濡れていたので、むしゃぶりついて嘗め取りながら獄寺を横たわらせた。再度、うつぶせにして性器をアナルへとあてがった。獄寺の背中に覆い被さり、耳たぶを噛んで獄寺の意識をそこに集中させた瞬間、先を潜り込ませた。
「いいっ…た……」
「大丈夫。息を吐いて」
 口を開けさせようと歯の間に指を噛ませる。ローションのぬめりも手伝って、引っかかることなく圧迫感を与えながら獄寺の体内へと埋め込んでゆく。経験の無い太さにどうしても緊張を外せない獄寺の緊張をほぐすためにシーツとの間に挟まれたペニスをしごいた。
「やっ、やだっ…ああっ。んっ」
獄寺自身のぬめりで亀頭を包むように撫でると押しつけるように腰を揺らめかせた。
「んっ、す、げ締め付け、さいこうっ」
「ああああっ」
 思わず漏れた山本の声に獄寺のペニスは弾けた。その締め付けに山本は唇を噛んでやり過ごした。
「……俺の声でイっちゃった?」
 銀糸が左右に振られるが否定する意志があるわけがない。それよりも動かない山本に焦れて、獄寺は自ら腰を前後へと動かした。
「おまえ、こんなすごかったっけ?」
揶揄を含む笑い声に獄寺はひたすら頭を左右に振りながら、体内奥深くに繋がった山本の性器に翻弄されていた。
「おねが、い、動いて」
「どういう風に?」
「あ…ああああんっ!!」
 体を起こされて、背面座位の姿勢になり、山本の言った通り、触られたことのない奥を堅くて柔らかいもので突かれた。深くくわえこんでそこが絞り上げるのを感じてまた獄寺は声を上げた。
「いいっ!!やまもと、いいっ!」
 細い腰を両手で支えてぐっと押しつけると同時に自らの腰を突き上げると獄寺の性器から精液が零れた。
「そこ…すごくいいっ」
「気持ちいい?」
 何度もうなずいて、仰け反ると山本の肩に頭を預けた。開きっぱなしの唇から涎が零れているのにも気付かない。山本の動きに合わせて身をくねらせて、両手を挙げてしがみつく。振り返っては、キスをねだって山本の唇を嘗める。吐く息は熱くて、獄寺は酒に酔ったように体から意識が離れているような気がしていた。
「やまっもとっ」
「ん?」
「もう、どうにでも…し、てっ…」
 獄寺の告白に山本は強く舌を絡めた。獄寺は山本の首に手を回して応える。
「獄寺、今でもちゃんと愛しているよ」
言葉よりも雄弁な優しい瞳に獄寺は涙がこみ上げてきた。山本に揺さぶられて周りに滴が散る。
「はぁっ…山本っ……ひっ…あああっ!!」
 体内に流される精液に体を震わせる獄寺を一度うつぶせにに倒すと、足首を掴んであおむけへと返す。背中から両肩を抱くと、獄寺の腰が浮くぐらいに律動を始めた。がくがくと揺さぶられる獄寺は気付かない間になんどか絶頂を迎えていて、腹や足の根本付近を白く汚していた。山本は腰を動かしながら獄寺の肌を嘗めた。乳首の周りをくるんとなぞると山本自身がぎゅうっと締められる。
「はぁっ」
 山本の動きについていけず、獄寺はシーツを握りしめて白い喉を晒す。はぁはぁと呼吸を整えるも、山本はそんな隙すら与えないように獄寺を揺すぶった。だらだらと精液が零れる獄寺のペニスを握って扱き始めた。
「やあああっ、やめ、やまもとっ!はあああっ!!」
 獄寺が弓なりに体をそらして頂点を極めたのと同時に山本も獄寺の奥深くに放った。






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