だい。 @ルイトモ

■「LIFE」小説 10ページ他

月が冴え冴えと光る今夜は随分冷え込んだので、暖炉に火を入れた。それに向き合うソファにだらしなく座り、グラッパを舐めるように呑んでいた。それは彼女のお手製で半端無いアルコール度数の高さだった。ボンゴレからはとりあえず帰ってこいと命令が下されていた。
「このまま帰るのか?」
「それも癪だけど、仕方ない」
「らしくねぇなぁ」
「挑発すんな」
そう言う獄寺も笑っていなかった。
「どっかのアホが一日休暇を申請したから、今日俺達はオフなわけで」
「確かに。明日の午後に迎えが来るまでは完全にそうだな。今日一日畑仕事したし、」
「となると10代目にご報告する義務は一応は無いわけで」
「まぁ、ツナにはバレるけどな。怒られないためには、無事に怪我無く帰ればいいんじゃねーの?」
ソファの端同士に座っていた二人は人の悪い笑みを浮かべて、同時に透明な酒の入ったグラスを掲げた。
「なんでこんなにずる賢くなっちまったんだろうな、こーんな綺麗な顔して」
鏡を覗いてネクタイを締める山本の背後で獄寺は付近の地形をパソコンに表示して作戦を練っていた。テーブルに飲みかけのグラスと手持ちのボムと匣を並べてくわえ煙草で指輪を嵌めていく。禍々しい色と形をしたそのリングは、複雑な構成をしている匣の一部で、何度説明されても山本には全く理解できないものだった。五種類の波動が流れているのも珍しい資質だったが、それを扱うのもまた彼だからこそだ。儀式のようなそれを山本は静かに見守る。水の湛えられたグラスが邪魔になりそうだと、キッチンに持っていこうと手を伸ばす山本を「それ、使うから」という風に獄寺の指が制す。
「うるせぇ。てめぇこそ虫を殺さない顔して…平気な顔で、」
「それでもまだ生きてられて良かったな」
獄寺の言葉を遮るように上体を倒して獄寺のつむじにキスをした山本は、匣をパラパラと宙に投げては受け取った。
「空中からしかねぇな。車もねぇし」
山本はテーブルに腰を下ろして、横合いのパソコンの画面を覗き込む。獄寺は、モニターの、この付近の詳細な地形の一点を指差した。